【完全版】バドミントンのレットとは?第14条の条件7つと「やり直し」ルールを整理

バドミントンのレットとは?ダブルス試合中に主審がレットをコールする場面

「レット」は、反則(フォルト)とは別の扱いです。
プレーをいったん止め、そのラリーを無効にして、同じサーバーでやり直します

この記事では、日本バドミントン協会の競技規則をもとに、レットの意味成立する場面やり直しの扱いを整理します。

また、レットの条文である第14条を中心に、第9条(サービス)・第13条(フォルト)との関係も、迷いやすいところから順に見ていきます。

この記事を読むと分かること
  • レットの定義と役割
  • フォルトとの違い
  • 無効になる範囲
  • サービス時のレット
  • ラリー中のレット
バド研究パパ

まずはレットの意味を押さえ、そのあとに「やり直し」の扱いと、レットになる条件を順番に整理していきます。

目次

バドミントンのレットとは(定義と役割)

バドミントンのレットとは?試合中に主審がレットをコールする場面
レットの意味と役割をわかりやすく解説します

レットは、フォルトと混同しやすいルールです。
ここでは、まずレットの意味を確認し、そのあとにフォルトとの違いを整理します。

レットの意味(プレー停止のコール)

レットは、プレーをいったん止めるためのコールです。 主審がコールし、主審がいない試合ではプレーヤーがコールします。

大事なのは、レットが単なる中断ではないことです。プレーを止めたあと、どう扱うかまで競技規則で決まっています。

たとえば、サービスが打ち返されたあとに、シャトルがネットの上で止まった場合はレットになります。そのままプレーを続けにくい場面で使われるルールです。

ただし、自由にコールできるわけではありません。レットになる条件は、第14条で決まっています。 「やり直したい」という理由だけではレットにはなりません。

レットとフォルトの違い(反則との線引き)

レットとフォルトは、どちらもラリーが止まります。ただ、意味は大きく違います。

  • フォルト:反則です。相手に得点が入ります。
  • レット:反則ではありません。ラリーを無効にして、やり直します。

違いが出やすいのが、ネットにシャトルが止まる場面です。サービス中ならフォルト、サービスが返されたあとのラリー中ならレットになります。

同じように見える場面でも、サービス中かラリー中かで扱いが変わります。ここは特に混同しやすいポイントです。

▼関連記事▼
フォルトの種類については、次の記事でも詳しく解説しています。

バド研究パパ

次は、レットになったあとにどこまで無効になるのか、そして誰がサーブするのかを整理します。

レットになったときの扱い(第14条3項)

バドミントンのレット後の扱い|シャトルがネットに引っかかりレットになる場面
レット後の無効範囲と再サービスを整理します

レットは意味だけでなく、そのあとどう扱うかまで知っておくことが大切です。

特に迷いやすいのは、「どこまで無効になるのか」と「次は誰がサーブするのか」の2点です。
この章では、第14条3項をもとに、レットのあとの扱いを順番に整理します。

レットになったときの扱い(一覧表)

確認ポイントレットの扱い
無効になる範囲その前のサービス以後のプレー
次のサーブ直前のサーバーがもう一度サーブ

どこまで無効になる?(プレーの無効範囲)

レットになると、その前のサービス以後のプレーは無効になります。つまり、そのラリーの結果は数えません。

これは、第14条3項で無効にする範囲が決まっているためです。レットになった時点で、そのサービスから続いていたプレーは成立しなかった扱いになります。

たとえば、ラリー中にシャトルの台(コルク)が他の部分と完全に分離した場合はレットです。このとき、そのラリーで決まった結果は無効になります。

ここで大事なのは、前の得点まで消えるわけではないことです。無効になるのは、そのサービスから始まったラリーだけです。

次のサーブは誰?(再サービスのルール)

レットになった場合は、直前にサービスをしていたサーバーが、もう一度サーブします。

理由は、レットが「無効」の扱いだからです。ラリーの結果が数えられないため、サービス権も動きません。

たとえば、サービスが打ち返されたあとに、シャトルがネットの上で止まってレットになった場合も、同じサーバーが打ち直します。

つまり、レットではサーバーは変わりません。レットは得点が入る処理ではなく、やり直しの処理です。

バド研究パパ

次は、サービス中に起きるレットを整理します。

サービスで起きるレット(第14条2項(1)(2))

バドミントンのサービス時のレット|シングルスでサーブを打ち始める場面
サービス中に起きるレットの条件を整理します

レットは、ラリー中だけでなくサービスでも起こります。

第14条2項で示されているのは、レシーバーの準備が整う前にサービスした場合と、サーバーとレシーバーが同時にフォルトした場合の2つです。

ここでは、この2つの条件を整理します。特に迷いやすい「準備できていたかどうか」は、第9条4項とあわせて確認します。

▼関連記事▼
サービスの詳しいルールは、こちらの記事で体系的に解説しています。

レシーバー準備前のサービス(14条2項(1))

レシーバーの態勢が整う前にサーバーがサービスをしたときは、レットになります。
サービスは、相手が受けられる状態になってから始める必要があります。

これは、第9条4項で、レシーバーが位置について態勢が整う前にサービスを始めてはいけないと定められているためです。

たとえば、レシーバーがまだ位置に付いていないのに、サーバーがサービス動作を始めてシャトルを打った場合は、このレットにあたります。

ただし、レシーバーがサービスを打ち返そうと試みた場合は、準備ができていたものとみなされます。 ここは特に誤解しやすいポイントです。

「準備できていない」の判断ポイント

判断の中心になるのは、レシーバーが受ける態勢に入っていたかどうかです。

見るポイントは、次の3つ

  • レシーバーが位置に付いていたか
  • 構えができていたか
  • 返球を試みたか

特に大事なのは「返球を試みたか」です。返球を試みた時点で、準備は整っていた扱いになります。 主審がいる場合は、最終的な判断は主審が行います。

境界例|返球を試みたらどうなる?

この場面の分かれ目は、レシーバーが返球しようとしたかどうかです。第9条4項では、準備前のサービスは禁止されていますが、返球を試みた場合は準備が整っていたものとみなします。

たとえば、構えが少し遅れていても、実際に返球動作を出したなら、レットの根拠は弱くなります。つまり、「返球を試みたか」が判断の分かれ目です。

▼関連記事▼
サービスの反則(フットフォルト)については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

サービスで両者が同時にフォルトした場合(14条2項(2))

サービスのとき、サーバーとレシーバーの両方がフォルトをした場合はレットです。
片方だけの反則として処理せず、やり直しになります。

これは、第14条2項で「同時フォルト」がレットとして示されているためです。サービスでは、この特別な扱いがあります。

たとえば、サービス局面で主審がサーバー側にもレシーバー側にもフォルトを適用した場合が該当します。

注意したいのは、同時フォルトによるレットはサービス中に限られることです。ラリー中のフォルトは、原則としてこの形のレットにはなりません。

バド研究パパ

次は、ラリー中に起きるレットを整理します。ネット、シャトルの破損、妨害、判定不能、不測の事態の順に見ていきます。

ラリー中に起きるレット(第14条2項(3)〜(7))

バドミントンのラリー中のレット|シングルスのラリー中の場面
ラリー中に起きるレットの条件を整理します

ラリー中のレットは、第14条2項では5つに分かれています。

ここでは、特に判断で迷いやすいポイントをしぼって整理します。見るべきなのは、どの場面でレットになるのか、そして何が条件になるのかの2つです。

ネットの上に乗る/越えた後に引っかかる(14条2項(3))

サービスが打ち返されたあとに、シャトルがネットの上に乗ったり、ネットを越えたあとに引っかかったりした場合はレットです。

ここで大事なのは、サービスが打ち返されたあとという条件です。第14条2項(3)は、このタイミングを前提にしています。

たとえば、サービスリターンのあとに、シャトルがネットの上で止まった場合はこのレットにあたります。

逆に、サービス中に同じことが起きた場合は別の扱いです。ネットに止まったからといって、すべてレットになるわけではありません。

よくある混同:サービスのネットインとの違い

混同しやすいのは、サービス中にシャトルがネットに止まる場面です。

サービス中にシャトルがネットの上に乗る、またはネットを越えたあとに引っかかった場合はフォルトです。一方で、サービスが返されたあとのラリー中に同じことが起きた場合はレットになります。

つまり、見分けるポイントは現象そのものではなく、起きたタイミングです。

▼関連記事▼
サービスのネットインについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

シャトルの破損(台が完全に分離)(14条2項(4))

プレー中にシャトルが分解し、台(コルク)が他の部分と完全に分離したときはレットです。

ポイントは、壊れたこと自体ではなく、台が完全に分離していることです。第14条2項(4)でも、この条件が明記されています。

たとえば、打球の途中で羽根の部分と台が完全に分かれ、通常の飛び方をしなくなった場合がこれにあたります。

一方で、羽根が少し傷んだだけ、少し開いただけでは、このレット条件には当たりません。

妨害・中断(コーチの中断/注意散漫)(14条2項(5))

コーチによってプレーが中断されたり、相手側のプレーヤーが注意をそらされたと主審が判断した場合はレットです。

ここでのポイントは、主審がどう判断するかです。第14条2項(5)は、主審の判断を前提にしたレットです。

たとえば、ラリー中に外からの声や動きでプレーが止まったと主審が判断した場合は、そのラリーはレットになります。

プレーヤーが「気がそれた」と感じただけで自動的にレットになるわけではありません。成立の鍵になるのは、主審の判断です。

判定不能(線審・主審・IRSでも判定できない)(14条2項(6))

線審が判定できず、主審も判定できないとき、またはIRSでも判定できないときはレットです。

ここで大事なのは、「意見が割れた」ことではなく、判定できない状態になっていることです。

たとえば、シャトルの落下点が死角に入り、線審も主審も確定できない場合は、このレットにあたります。

見えている人がいるのに意見が食い違っているだけなら、条文上の条件とは少し違います。レットになる条件は、あくまで判定不能です。

境界例|意見が割れたらレット?

結論からいうと、意見が割れただけではレットとは限りません。

第14条2項(6)で条件になっているのは、線審も主審も、必要ならIRSでも判定できないことです。つまり、対立ではなく判定不能そのものが条件です。

この場面では、「見解が違うか」ではなく「最終的に判定できるか」で考えると整理しやすくなります。

不測の事態・突発事故(14条2項(7))

不測の事態や突発的な事故が起きたときもレットです。

この条文は、前の項目だけでは拾いきれない場面に対応するためのものです。ラリーをそのまま続けるのが適切ではないと主審が判断したときに使われます。

たとえば、ラリー中に事故が起きたり、プレーを続けるのが危険または不適切な状況になった場合がこれにあたります。

文言の幅は広いですが、自由に使えるわけではありません。ここでも判断の軸になるのは、条文と主審の判断です。

▼関連記事▼
ネットに関する反則(ネットタッチ)については、こちらの記事も参考になります。

バド研究パパ

次は、条文の要点をまとめて確認します。

公式ルール要点まとめ(レット:第14条1項〜3項)

バドミントンのレット公式ルール|第14条の要点まとめイメージ
レットの公式ルール(第14条)の要点をまとめます

ここでは、レットの条文を要点だけにしぼって整理します。

細かい説明を読む前に全体を確認したいときや、判断に迷ったときに戻れるよう、辞書のように使える形でまとめています。

第14条1項:レットのコール権者

レットは、主審がコールします。主審がいないときは、プレーヤーがコールします。

主審がいる試合では、プレーヤーだけでレットを確定する形にはなりません。まず押さえたいのは、誰がコールするのかが条文で決まっていることです。

第14条2項:レットになる条件(7つ)

レットになる条件は7つあります。内訳は、サービス中が2つ、ラリー中が5つです。

第14条2項では、この条件が順番に並んでいます。つまり、条文にある条件に当てはまるときにレットになり、当てはまらないときはレットにはなりません。

条件をまとめると、次の7つ

スクロールできます
条文レットになる条件
第14条2項(1)レシーバーの準備前にサービス
第14条2項(2)サービスで両者が同時にフォルト
第14条2項(3)返球後にシャトルがネットの上に乗る/引っかかる
第14条2項(4)シャトルの台が他の部分と完全に分離
第14条2項(5)妨害・中断があり主審がレットと判断
第14条2項(6)線審・主審・IRSでも判定できない
第14条2項(7)不測の事態や突発的な事故

レットは、この7つの条件に当てはまるときに成立します。

第14条3項:処理(無効/再サービス)

レットになった場合は、その前のサービス以後のプレーが無効になり、直前のサーバーがもう一度サービスをします。

つまり、レットは得点が入る処理ではありません。無効にして、同じサーバーでやり直すのが基本です。

バド研究パパ

次は、検索で特に多い疑問をFAQ形式で整理します。

FAQ|バドミントンのレットで多い疑問

バドミントンのレットFAQ|よくある疑問を解説するイメージ
レットでよくある疑問をFAQ形式で解説します

ここでは、レットで特に混同しやすい疑問をわかりやすく整理します。
まず結論を確認し、そのあとに条文の根拠を解説していきます。

主審がいない試合で「レット」は言っていい?

主審がいないときは、プレーヤーがレットをコールできます。

第14条1項でも、「主審またはプレーヤー(主審がいないとき)」と定められています。ただし、自由にコールできるわけではなく、第14条2項の条件に当てはまる場合に限られます。

レットとフォルトは何が違う?

フォルトは反則で、ラリーの勝敗が決まります。レットは反則ではなく、そのラリーを無効にしてやり直します。

レットは第14条3項で「無効」と「再サービス」が定められています。いっぽうでフォルトは、第13条で反則になる条件が定められています。

レットの後は誰がサーブする?

レットの直前にサービスをしていたサーバーが、もう一度サーブします。

これは、第14条3項で「レットになる直前のサーバーが再びサービスをする」と定められているためです。レットは得点処理ではないので、サーバーは変わりません。

バド研究パパ

次は、ここまでの内容を整理し、最後に要点をまとめます。

まとめ|レットは“公平にやり直すための停止”

バドミントンのレットまとめ|審判がレットを宣告する試合シーン
レットの要点を最後に整理します

レットは、反則を取るためのルールではありません。決められた条件に当てはまるときにプレーを止め、そのラリーを無効にしてやり直すためのルールです。

特に大事なのは、レットとフォルトを混同しないことです。フォルトは反則として得点につながりますが、レットはそのラリーを無効にして、同じサーバーでやり直します。

また、レットは「何となくやり直す」ためのものではありません。第14条で決められた条件に当てはまるときだけ成立し、処理の仕方も条文で決まっています。

本記事で整理したポイントは、次のとおりです

  • レットはプレーを止めるコール
  • フォルトは得点、レットは無効でやり直し
  • レットの条件は第14条2項の7つ
  • ネット停止はサービス中か返球後かで扱いが変わる
  • 無効になるのはその前のサービス以後のプレー
  • レットの後は同じサーバーが再サービス
バド研究パパ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

▼関連記事▼
バドミントンのルールをより深く理解したい方は、次の記事も参考になります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次